ストレスケア


心身ともにリフレッシュ 【 入院治療 】
埼玉森林病院|入院病棟

医療法人昭友会 埼玉森林病院

ストレスケア

人が社会的な生活を送る中では、多くの人に出会い、様々な経験をし、ときとして「自分の意志だけではどうにもできないこと」にもぶつかります。このような摩擦はストレスとなり、人の心身状態に影響を与えます。特に現代は「ストレス社会」ともいわれており、ストレスと無縁で生きている人はいないでしょう。

「ストレス発散」などともいうように、小さなストレスは、日々の生活の中で解消している場合が多いと思います。けれどもキャパシティを超えた過度なストレスから自分を守るためには、心をリセットすることが必要なこともあります。
私たち昭友会では、埼玉森林病院において、ストレスからくる不調を何とかしたい方々のためにストレスケアをご提供しています。日常生活の様々なストレスや葛藤から離れて、ゆっくりと休養し、心と身体の回復をはかることを目的とした、専門的な入院治療です。ストレスの原因から思いきって離れて休養することが、回復への近道なのです。

そうはいっても、「そう簡単に仕事を休めない」「私がいなくなるわけにはいかない」という方も多いでしょう。会社やご家庭といった、あなたが大切にする集団の中で、「私がいなければ」と思う責任感は確かに大切です。けれどもそれ以上に大切なのは、「つらいときは休んでいい」と自分自身をいたわってあげること。「私がいなくても大丈夫」と周囲を信じること。つらそうな人を見かけたら、「休んだ方がいいよ」と声をかけますよね。どうぞご自分にも声をかけてあげてください。

まずは、一旦しっかりと休みましょう。ダメージを受けた心身を回復させることができれば、あなたも周囲の人たちも、もっと楽になることができ、そのことがあなたらしいあなたのまま生きることにもつながるのです。思い切って、そして気楽に、ストレスケアに取り組んでみませんか?

ストレスケア

ストレスとうつ病の関係

ストレスとはなんだろう?

「ストレス」は、よく使う言葉ですが、その定義はあまり知られていません。ストレスとは、「外部から刺激を受けた時に生じる緊張状態 」のことです。
実はストレスには、「良いストレス」と「悪いストレス」があります。たとえば職場の上司に理不尽に怒られたとき、イライラしたり不安を感じたりすることは、外部からの刺激による「悪いストレス」です。では、友だちと楽しくご飯を食べたり、好きな音楽を聴くことは、どうでしょうか?これらもやはり外部からの刺激ですが、これは「良いストレス」といえます。進学、就職、結婚などの喜ばしい出来事も、変化=刺激であり、実はストレスでもあるのです。このように日常生活には、様々なストレスがあふれています。
心身にどのような影響を与えるかによって、「良いストレス」か「悪いストレス」かが決まります。悪いストレスは、心がネガティブになるだけでなく、身体の不調も引き起こすことがあります。「良いストレス」は、心を浮き立たせたり気持ちが安定したりと、いい影響をもたらします。モチベーションにつながり、前進していくために必要な刺激ともなります。

私たちを悩ますのは、心身に悪影響を及ぼす「悪いストレス」です。ここでは、「悪いストレス」のことを「ストレス」と呼ぶことにします。ストレスが発生する要因は、大きく4つに分類することができます。

「悪いストレス」の要因と具体例

分類
環境的要因 騒音、臭い、悪天候
身体的要因 病気、睡眠不足、空腹、痛み、吐き気
心理的要因 不安、悩み、怒り、悲しみ
社会的要因 人間関係がうまくいかない、仕事が忙しい、失業、景気の悪化

ストレスが日本社会に与えている影響は、近年、無視できない状況です。厚生労働省が実施した労働安全衛生調査(2018年)によると、「仕事で強いストレスを感じる」と答えた労働者の割合は58%。また、メンタルヘルス不調で連続1ヶ月以上休業した労働者のいる企業の割合は、6.7%。つまり、企業で働く人の半数以上が「悪いストレス」を抱えており、1か月以上休む人がいる企業も1割近くある、ということになります。ストレスを感じているのはあなただけではないのです。

ストレスから抑うつ症状が現れる

ストレスによる負担が大きすぎると、「抑うつ症状」が現れることがあります。抑うつ症状は、落ち込んだり鬱々とした気分になったりするような精神面だけでなく、不眠や腹痛といった身体的な症状であることもありますし、深酒をしたり、忘れ物が多くなるというように行動に現れることもあります。これらは心身が危険を察知しているサインなので、症状が軽いうちに休養したり、自分に合った方法でうまくストレスを解消することが大切です。

抑うつ症状の具体例

分類
精神面 やる気が起きない、気分の落ち込み、趣味を楽しめない、漠然とした不安感に襲われる、将来に対して悲観的になる 、イライラ感、怒りっぽくなる、集中力の低下
身体面 不眠、食欲低下、動悸、息切れ、息苦しさ、便秘、下痢、腹痛、胃痛、偏頭痛、節々の痛み、蕁麻疹、発汗
行動面 アルコールや喫煙の量が増える、身だしなみに気を使わなくなる、遅刻や忘れ物が多くなる

うつ病は、早めに治療を受けることが大切

抑うつ症状があっても、自分でそのことに気づかない場合や、気づいていても「自分はまだ大丈夫」とそのままにしてしまうと、ストレスによるダメージが蓄積していき、さらに症状が進行してしまう場合も少なくありません。抑うつ症状が強くなると、やがてうつ病へと至ることもあります。その境目は明確ではありませんが、抑うつ症状がおおむね2週間以上続き、症状が強い場合には、うつ病である可能性が高いでしょう。

うつ病の予防や早期の医療的介入は、社会全体で取り組むべき問題となっています。先進諸国においてうつ病の生涯有病率はおおむね5~10%程度、日本でもうつ病の患者数は100万人を超えています。潜在的なうつ病の方はこの数倍いるとも言われ、決して珍しい病ではありません。

うつ病やうつ状態の治療を行わない場合には、半年から2年程度続くことが多く、およそ2人に1人が再発し、再発率が高くなるほど再発予防も難しいとされます。このため、発症前の予防や再発予防が重要なのです。
うつ病は外来治療や薬物療法だけで回復することは難しく、認知行動療法や対人関係療法などを組み合わせる方が、再発予防効果が高いことがわかっています。精神療法や心理教育などを合わせてケアしていくことが大切なのです。1人でも多くの方を、できるだけ早めに適切な治療へとつなげることが、私たち病院の役割であると思っています。

ストレスケア対応スタッフ

ストレスケアとは

治療としてのストレスケア

雑誌やネットでは、「ストレスケア」という言葉で様々なストレス解消の方法が紹介されています。アロマテラピーやマッサージ、フラワーテラピー、音楽鑑賞、半身浴など、数え上げたらきりがないでしょう。自分に合ったストレス解消方法を見つけることは、とても大切です。けれどもここでは、医学的な根拠に基づいて病院で行う、治療としてのストレスケアについてご紹介していきましょう。

病院で行うストレスケアは、職場や家庭での人間関係や日常生活で生じる様々なストレスや葛藤を抱え、うつ病を中心とする気分障害の方や、ストレスが原因でうつ状態や適応障害となり、心や身体の調子を崩された方などを対象としています。ストレスケアとは、こうした方々の苦痛を和らげ、日常生活を離れてゆっくりと休養していただき、回復をはかる治療です。
ストレスケアには外来で行うものと入院で行うものがあります。外来では時間的な制約があることもあって、薬物療法やカウンセリングが中心です。一方、入院では、「ストレスケアプログラム」を提供する場合が多くなります。

ストレスケアプログラムとは、作業療法や認知行動療法といった様々な医療的アプローチ(リハビリテーション技法や心理療法など)を組み合わせた、「苦痛を和らげ、回復を図るケア」のための融合プログラムです。以前には、うつ病の治療は休養と薬物療法が中心でしたが、現在ではそれだけでは回復しないということがわかっており、精神療法的視点が注目されています。

ストレスケアプログラムの例

治療法 内容
作業療法 リハビリテーションの一つ。軽い運動や創作活動など、様々な活動によって生活感を取り戻し、ストレスの解消を目指す。
薬物療法 緊張や不安を和らげる薬や、寝つきをよくする薬を処方することにより、辛い症状を和らげる。
心理教育 患者さまの状況に応じて、ストレスに関する知識や情報を伝えることによって、ストレス解消に向けて自ら対処できる方法を身につける。
心理療法 いわゆるカウンセリング。公認心理師が患者さまの話を傾聴して、患者さまの抱えている問題や課題を一緒に解決していく。
認知行動療法 認知とは、ある物事に対して知ること、知識を持つこと。ストレスを知り、生活の行動に働きかけて、ストレスに強い考え方を身につける。

単なるストレス解消とはまったく異なる、ストレスケアの効果

ストレスによる不調の症状は、人によって様々ですが、根本的な原因が「ストレス」であるという点、また、休養によって症状が軽減されるという点は、共通しています。
ストレスケアは、心身を休養させることによって、まず症状を軽減させることから始まります。心身がある程度回復してきたら、今度はストレスへの対処法を習得することによって、自分らしく生きていくことを目指します。ここが、自分で行うストレス解消法と大きく異なる点でしょう。これによって、生き辛さを一人で抱え込まずに心身ともに休養し、リセットして自分のペースを取り戻すことができるようになります。これまでの自分の考え方や物事のとらえ方の特徴に気づき、自分の考え方の幅を広げ、ストレスとなる物事への対処方法を身につけることができるのです。

リワークプログラムとの違い

ストレスケアプログラムとリワーク(復職支援)プログラムは、どちらもうつ病やうつ症状の方を対象としていますが、目的や方法が異なります。ストレスケアが休養をメインとしているのに対し、リワークプログラムでは職場復帰を目指して、より刺激や活動性の高いアクティビティーが多くなります。

ストレスケアとリワークの違い

ストレスケアプログラム リワークプログラム
ストレスに対しての抵抗力や耐性を身につけた状態で社会に戻っていくことを目的とした治療。 うつ病などの精神疾患から回復し、職場に戻ることを目的としたリハビリテーション。
「ストレス」に対する治療。何よりもまずしっかりと休養する。ストレスや、ストレスに対する自分自身の傾向について学んだり、ストレスを解消するアクティビティーを行ったりする。 生活リズムを身につけたり、職場と近い状況を設定したシミュレーションがあったり、病気が悪化しないように他者とのコミュニケーション方法を考え直す精神療法などがある。

ストレスケアにおいても最終的には社会・職場復帰を目指しますので、ストレスケアでの関わりの中でリワークプログラムが必要になる場合や、退院後にリワークプログラムが必要になって通う場合もあります。また、リワーク=復職支援、ストレスケア=ストレス緩和として、企業がリワークプログラムの一環として利用することもあります。

昭友会では、森林公園メンタルクリニックの精神科デイケアでリワークプログラムをご提供しています。埼玉森林病院のストレスケアを受けて回復された方が、復職を目指している場合に、お勧めしています。

ストレスケア入院病棟

埼玉森林病院のストレスケアとは

埼玉森林病院では、2019年にストレスケア専門病棟「ストレスケアユニット」を新設しました。「すべての人が健やかに、いきいきと生活することができるように必要なケアを実践して、心身の健康確保をはかり、患者さまとその家族の幸せを確保する」ことを目的として、ストレスケアプログラムを提供するほか、ストレスからくる不調を何とかしたい、ストレスの原因から離れて心身を休めたい、という方が休養する場としても活用していただいています。埼玉県内では、ストレスケアユニットのある病院は少なく、特に熊谷、秩父、東松山、川越近辺では、私たちの病院のみとなっています。
(2020年11月現在)

現代はストレス社会ともいわれています。競争社会や不況、コスト削減による過度な残業、離婚率の高さによる子育ての負担の増加や、核家族による子育て協力の減少、子育て中の複雑な近所付き合いなど、数十年前まではあまり顧みられなかったストレス要因が、どこでも当たり前にみられる社会になりました。こうした、常にストレスの負荷がかかった状況から離れ、休養する環境を提供することが、当病院のような入院環境のある病院の役割であると考えています。入院し治療に集中することで、より短い時間で元の生活に近い心身状態に戻ることができるのです。

効果の高い入院治療

多くのストレスケアは、外来を中心に実施されています。うつ状態で病院などを受診し、医師の診察や専門家(公認心理師、臨床心理士など)のカウンセリングを受けるものがほとんどです。しかし埼玉森林病院では、外来ではなく、入院という形をとっています。外来や地域生活の中では病気や症状の改善が見られない方、社会や生活の場から離れ、入院して集中的な関わりや治療を必要としている方を対象としていることと、より高い効果を得られるからという理由によります。

ストレスケアを入院で行う最大のメリットは、通院や単なるカウンセリングと異なり、ストレスとなる外的要因から離れることで休養に専念できることです。ストレスケア本来の目的である、休息・小休止・息抜きをしっかりととることができ、治療に集中できます。
入院によって集中的、継続的なケアが可能になりますので、この期間に集中して学んだ経験を活かして、退院後の生活で困難なことにぶつかっても、うまく乗り越えやすくなります。もしも病気になってしまったときと同じような状況になっても、それに対処できる力をも身につけることができるのです。
そのほか、特に1人暮らしの方の場合には、孤独感や疎外感がやわらげられたり、常に身近にサポートがある安心感を得られたりするなどの効果があります。また、同じような困難を抱えた人と交流することで、これから自分がどんな風に回復していくのかをイメージしやすかったり、人とのつながりを体験できたりすることも、回復に向かう後押しになるでしょう。

ストレスケアユニット

休養にふさわしいストレスケア専門病棟

埼玉森林病院のストレスケアユニットは、休養にふさわしい病棟として、2019年4月に「里山にかこまれた人々の集う癒しの病院」をコンセプトに開設しました。埼玉森林病院自体が緑豊かな里山に囲まれており、四季折々の景色を楽しむことのできる、自然あふれる静かな場所に建っています。日ごろの環境から離れ、心身の休養や治療に、より集中できる環境を整えています。
ストレスケアユニットの新しくきれいな病室は、患者様に大変ご好評をいただいています。当病院では医師、薬剤師、看護師、公認心理師、作業療法士といった医療専門職をはじめ、すべてのスタッフが一丸となり、患者さまにゆっくり休養していただける環境を整え、治療・ケアにあたっています。

4人部屋が3室(12床)と、個室が6室(6床)あり、全部で18床のコンパクトな病棟は、お一人おひとりへの配慮をしやすい体制が整っています。4人部屋は適度なプライバシーを保ちながらも、同室者とコミュニケーションがとりやすく、孤独感を感じにくい造りです。個室は配慮されたプライベート空間で、自分の時間を有意義に使える部屋です。

病院内には、自動販売機、図書コーナー、談話コーナーを設置しています。Wi-Fi利用とテレビ視聴は無料でご提供していますので、状態に合わせてご本人が望む範囲で外部とのコミュニケーションをとっていただくことができます。都市部の喧騒からかけ離れており、ウグイスといった小鳥のさえずりなど、自然が豊かな環境の中で、ゆったりと寛いでいただけます。

ストレスケア入院病棟

うつ病の再発予防にもつながる、ストレスケアプログラム

ご希望と病状に応じて、入院中にストレスケアプログラムに参加していただくことができます。ストレスケアプログラムとは、うつ病の方の治療や再発予防のために、作業療法や精神療法などを組み合わせたもの。医師、看護師、公認心理師、作業療法士が、医学的な知見にもとづいてご提供しています。

散歩や軽い運動、アロママッサージといった心身を癒すものもあれば、うつ病について学ぶ心理教育、ロールプレイングで対人コミュニケーション能力を培う精神療法など、様々なものがあります。うつ病やうつ状態の回復を助けるだけでなく、自分自身の行動や考え方の傾向に気づいたり、うつ病についての正しい知識を身につけたりすることによって、再発予防にもつながります。

プログラム 内容(一例)
散歩 週3回、30分程度、作業療法士とともに病院周辺を散策します。病院周辺には自然が多く、緑を見ながら歩くことで気持ちが落ち着き、気分転換やリラックス、ストレス発散といった効果があります。日中(特に午前中)に軽い運動を行うことは、生活リズムの構築や退院後に必要な体力の維持につながります。
認知行動療法 考え方の幅を広げるための治療法です。物事を多くの側面から考えられる練習を積むことで、自然に湧き上がる不快な思考を柔軟にし、ストレスに対する考え方を身につけることができるようになります。
心理教育(疾病教育) 病気(うつ)について知る、自分の病気の正しい知識や情報を学び、理解するための時間です。また、調子が悪くなりそうなとき(病気のサイン)を知ることで、そのときの対処方法を考えられるようになり、病気の再発を予防したり、病気に対する力をつけることができるようになります。
ナースプログラム 看護師が、ダンス、創作活動(手芸)、アロママッサージ、エアロビクスなどを行います。気分転換、ストレス発散、体力の維持だけでなく、問題解決能力の向上にもつながります。
集団精神療法 同じ病気を抱えている複数の方が集まり、それぞれの抱えている苦しみや悩みを話す茶話会です。共感や分かち合いが生まれ、当事者にしかわからない辛さをわかってもらえたり、病気を違った側面からとらえることができたりします。
認知ゲーム 全5回のゲームを楽しみながら、思考の柔軟性を養います。ゲームは退院後にも楽しむことができ、ご好評をいただいています。
SST
(社会生活技能訓練)
生活を送る上で重要な対人関係のスキルアップです。生活に近い環境を設定し、ロールプレイングを通して学習します。

週間予定(例)

曜日 内容
月曜日 午前 11:00-11:30 散歩
午後 15:00-16:00 認知行動療法
火曜日 午前 10:00-11:00 ナースプログラム
午後 13:30-14:45 心理教育
水曜日 午前 11:00-11:30 散歩
午後 15:00-16:00 認知行動療法
木曜日 午前 10:00-11:00 ナースプログラム
午後 13:30-14:45 集団精神療法
金曜日 午前 11:00-11:30 散歩
午後 15:00-16:00 認知ゲーム
土曜日 午前 10:00-11:00 SST

※その他の時間は自由時間となります。

ストレスケア入院|アロマテラピー

休養するだけでもOK

当病院では、休養だけを目的として入院される方もいらっしゃり、ストレスケアプログラムに参加することだけが入院の絶対的な条件ではありません。まずは、ストレスの要因となっている場所から離れることが、回復への近道の一つであると考えています。
休養のためだけに入院した方であっても、心身が回復してきたら、入院の途中から参加していただくことは可能です。プログラムに興味をもたれましたら、病棟スタッフにご相談ください。

退院後は復職支援のフォローも

職場復帰を目指す方のために、同じ法人内の森林公園メンタルクリニックにおいて、リワークプログラムを実施しています。埼玉森林病院のストレスケアユニットでまずはゆっくりと休養し、必要に応じてストレスケアプログラムでうつ病やうつ状態の再発予防の準備を整えた後、森林公園メンタルクリニックでリワークプログラムを受けることによって、段階的に復職や社会復帰へつなげることができます。精神科において、治療やケアに一貫性を持たせることは回復への近道ともなりますので、同じ法人において流れを追った治療を受けられることは、最も効果的な治療ともいえるでしょう。

ストレスケアのスタッフ

ストレスケアの対象者

埼玉森林病院では、このような方を対象としています。

  • ストレスを改善したい方
  • 現状の生活から離れてリフレッシュしたい方
  • ストレスが原因で心身ともに疲労状態である方
  • うつ病を中心とする気分障害の方
  • ストレスが原因のうつ状態、適応障害の方

初めてうつ病やうつ状態になった方、再発した方、通院していたものの状態が悪化してしまった方、まだ一度も診断を受けていない方でも、ご利用いただけます。休職中の方、専業主婦の方、ほかの精神科病院に通院中の方、高齢者の方など、年齢や職業、通院歴の有無は問いません。まずはお気軽にご相談ください。

ストレスケアユニットへの入院理由(一例)
・生活リズムや体調を整えたい
・ストレスとの付き合い方について考えたい
・人間関係で悩んでいる
・自宅ではゆっくり休めない
・働いている職場で、人間関係や仕事の抱え込みで悩んでいる
・復職を目指している
・定年退職や親しい方が亡くなったことによる孤独感や喪失感
・貧困による怒りや不安感

はっきりとした診断がつかないと、日常を切り離す決断をすることはなかなか難しいですが、私たちでお力になれることはいろいろあると思います。以下の文章を読んで「自分もそうだ」と思われたら、ぜひ当病院へご相談ください。

  • 夜、不安や心配で全然眠れず、日中の活動に支障が出ている。
  • 職場や家庭でのストレスにより、身体症状(頭痛、身体のだるさなど)が現れ、生活に支障が出ている。
  • 日中、やる気がおきず、大半は部屋で横になりながら過ごしている。
  • 周りの環境に馴染めず、人や音で不安やストレスを常に感じている。
  • 老後や将来を心配し、不安が募り、体調に異変をきたしている。
  • 感情を自分で抑えることができず、暴れてしまったり、何でもないことでも泣いてしまう。
  • 家族や住んでいる環境から離れ、ゆっくりと休養したい。
ストレスケアのスタッフ

埼玉森林病院のストレスケア利用方法

埼玉森林病院のストレスケアを希望される方は、まずは当病院の精神保健福祉士に電話でお問い合わせいただき、ご相談ください。ご相談内容をもとに、ストレスケアユニットへの入院が必要かどうかを、精神保健福祉士が埼玉森林病院の医師とともに判断いたします。
入院が決まれば、まずはしっかりと休養していただき、ご希望に応じてストレスケアプログラムへの参加をご案内いたします。

ご利用の流れ

①電話でお問い合わせ まずは、埼玉森林病院の精神保健福祉士に電話でお問い合わせいただき、ご相談ください。
電話番号:埼玉森林病院 0493-56-3191(代表)
受付時間:月~土 8:30~16:30
②入院可否判断 医師と精神保健福祉士が入院の適応となるかどうかを検討し、後日、病院から結果をご連絡いたします。 入院適応になりましたら、入院日をご相談し、入院日時を決定します。
③入院日の調整 病室が空いていない場合には、ご自宅で待機していただくことになりますが、ご希望により、他の医療機関をご紹介することもできます。待機期間中にストレスケアユニットを見学していただくこともできますので、ご希望の方はご相談ください。
④入院 入院当日は最初に、看護師と精神保健福祉士の同席のもと、埼玉森林病院の医師による診察がございます。入院契約書へのサイン、入院に関する説明などもありますので、できるだけご家族もご同席をお願いします

入院期間

入院期間は、お一人おひとりの状態や入院理由などによって、大きく異なります。最初からストレスケアプログラムへの参加を希望されている場合には、入院して2週間程度の休養期間ののち、ストレスケアプログラムに参加していただくことが多いです。

入院期間の目安

入院時期 治療内容
入院初期
(2週間程度)
入院開始。しっかりとした睡眠をとり、心と身体を休養させます。つらい症状を緩和させる薬物療法が中心となります。
入院中期
(2週間~2ヵ月程度)
希望されている方にストレスケアプログラムを開始。薬物療法を継続しつつ、病気やストレスに対する知識を得られるように心理療法を行ったり、生活リズムの獲得や体力の回復を図れるよう作業療法をしたりします。
入院後期
(2ヵ月~3ヵ月程度)
薬物療法や心理療法、作業療法は継続しながら、社会の場に慣れるよう短期での外泊を繰り返していき、退院となります。

入院治療費

入院費は、健康保険、医療保険の対象になります。基本的な入院費のほかに、自費(自己負担)として室料差額費用があり、4人部屋は2,000円/日(税別)、個室は6,000円/日(税別)です。オムツを使用する方は、オムツ代が別途自費となります(持ち込み可)。

入院費については、限度額適用認定制度を利用していただくこともできます。入院や外来診療、調剤薬局などでの医療費の支払額が、国の定める自己負担限度額を超えて高額となる場合に、窓口での支払いを法定の自己負担限度額までにとどめることができる制度です(自己負担限度額は、収入によって異なりますので、役所でご相談ください)。
制度のご利用には、まず市町村の担当窓口で申請書を提出していただく必要があります。当病院の精神保健福祉士がご案内できますので、ご希望の方はご相談ください。
※限度額適用認定制度の対象外:入院中の食事代、室料差額費用、歯科の自由診療(インプラント、ホワイトニングなど)、オムツ代など

そのほか、個人で契約されている民間医療保険の給付対象となる場合もあります。給付対象となるのかどうかや、給付金の額については、ご契約内容によって異なりますので、ご加入の生命保険会社などにお問い合わせください。

ストレスケアのスタッフ

退院後の支援

退院後の治療や生活については、精神保健福祉士が医師や看護師、薬剤師、公認心理師、作業療法士と連携し、退院後にご利用いただける昭友会の医療サービスや、公的支援制度(限度額適用認定制度、自立支援医療制度、介護保険制度など)をご案内し、安心して安定した生活を送っていただけるようにサポートしています。もちろん、退院先の施設や居住地の行政機関、地域包括支援センターとも協力しています。どのようなご不安をもっていらっしゃるのか、まずはご相談ください。
患者さまの症状やご希望に合わせて、森林公園メンタルクリニックの外来診療で治療を継続していただくこともできます。埼玉森林病院と森林公園メンタルクリニックが細やかな情報共有を行い、退院後も患者さまお一人おひとりに合わせた医療・ケアをご提供することによって、できる限り再入院や再発のリスクを減らしたいと考えております。

ご家族の方へ

入院中のご家族の付き添いはご遠慮いただいています。ご心配も多いとは思いますが、入院中のご本人の様子については、看護師からもお伝えできますので、どうぞご相談ください。
治療は1対1で行うわけではなく、グループで行っており、他の患者さまがいらっしゃいます。他人の前では話しにくい内容もあり、個人情報を保護する観点と、ご本人や他の患者さまのスムーズな回復を促す観点から、ご家族の付き添いはご遠慮いただいていることを、ご理解いただけますようお願いいたします。

入院費にご不安をおもちのご家族様には、限度額適用認定制度や自立支援医療制度など、医療費を軽減する制度をご紹介しております。当病院の地域医療連携室で精神保健福祉士が丁寧にご案内しますので、お気軽にご相談ください。

職場の方へ

現代社会では、仕事上のストレスが過剰な負担となっている状態の方は多いと思われます。その中にはストレスフル(強いストレスを長期間感じている状態)にも関わらず、「休むわけにはいかない」「自分にしかできない仕事だ」と思って頑張って仕事に取り組み、その結果ぎりぎりの状態の方や、限界を迎えて体調に不調をきたしてしまっている方も多いのではないでしょうか。
埼玉森林病院では、企業の人事担当者様から、「うつ病かもしれない社員がいるが、どうしたらいいか」「ストレスから休みがちな従業員がいて困っている」など、従業員のメンタルヘルスについてご相談をいただくこともあります。その際には公認心理師がご本人の状況等をお伺いし、対応方法をご説明したり、必要に応じてストレスケアユニットへの入院や外来診療をお勧めしたりと、丁寧な対応を心がけています。

ストレスケアの対応スタッフ

よくあるご質問

医療費(入院費)はどれくらいかかりますか?
年齢や収入、入院する部屋、使用物品(オムツや病衣、業者委託での洗濯など)により、お一人おひとり異なります。ご本人の状況や希望をお聞きし、大まかな概算を出すことは可能ですので、個別にご相談ください。
いまの自分(私)は入院の該当になりますか?
そのときの症状をお聞きし、主治医が判断いたしますが、入院対象ではなくても、ご本人が入院を希望されている場合には、検討させていただきます。
病棟の見学はできますか?
随時見学は可能です。希望日や時間も調整できます。
お風呂は一人で入れますか?
大浴場と個浴(1人で入れるお風呂)を用意しております。
電子機器(パソコンや携帯電話)の持ち込みはできますか?
基本的には可能ですが、治療の妨げになる場合には、ご本人の了解の元、持ち込みをご遠慮していただくことがあります。他の患者さまの情報や病院内の写真などをSNSなどで投稿されることは、禁止させていただいています。

記事更新:2021.01.13

医療法人 昭友会 医療・介護・福祉の情報サイト
初回掲載:2020.11.26|作成:医療法人 昭友会|監修:埼玉森林病院

埼玉森林病院|入院病棟

埼玉森林病院について

埼玉森林病院は、精神疾患の入院治療を専門とした病院です。ストレスケアのほかにも様々な精神疾患(統合失調症、躁うつ病、うつ病、認知症、知的障害、人格障害など)の治療に加え、認知症をはじめとする老年期精神障害も専門としています。1977年に開院し、40年以上にわたり、地域住民の方々や市町村に貢献してきました。里山に囲まれた小高い丘の上に病院があり、春夏秋冬それぞれの景色を楽しむことができ、自然あふれる環境で治療に専念していただけます。高台にあるため、台風等の水害に強く、岩盤の上に建っているので地震にも強く、災害時にも安心した入院生活を送ることができます。

埼玉森林病院では医療の質にもこだわっており、精神科を中心とした良質な医療を継続的に提供できるように、精神科の専門研修を始めとして、院内感染対策、医療安全対策、接遇など院内院外の研修会への参加を推進しています。さらに看護部では、看護研究やクリニカルラダー(看護師の看護実践能力を段階的に表し、各段階において期待される能力を示し、到達度によって看護師の能力が示されるシステム)制度の導入をするなど、職員一人ひとりのレベルアップに取り組んでいます。多職種チームによる包括的な医療サービスを実施すべく、医師、看護師、薬剤師、公認心理師、精神保健福祉士、作業療法士など、専門医療スタッフがチームで患者さまを支援しています。

また、厚生労働省が打ち出している地域包括ケアシステムを支えるため、在宅医療にも力を入れています。病院を受診したくてもなかなかできない方にも精神科医療を提供できるようにと、2018年からは往診や訪問診療、訪問歯科も導入し、医師がご自宅や施設を訪問して診察しています。そのほかにも、精神科クリニック、精神科デイケア、リワークプログラム、訪問看護、訪問リハビリなど、法人内で連携し、途切れのない医療サービスをご提供しています。

静養にふさわしい環境の中で充分に休養し、専門の医療スタッフのもと、心と身体の回復と社会復帰に向け必要な活力を取り戻していただきたいと、スタッフ全員が願っています。

名称 埼玉森林病院
住所 埼玉県比企郡滑川町和泉704番地
電話 0493-56-3191
E-mail 専用メールフォーム
ホームページ https://www.kokoro.or.jp/saitama/
診療時間 9:00~12:00、13:30~15:30
受付時間 月~土 8:30~16:30
休診日 日曜日
駐車場 あり(無料)
交通アクセス 最寄駅は、東武東上線「森林公園」駅です。森林公園駅北口より、車で約10分です。埼玉森林病院の無料送迎バス(月・水・土のみ運行)もご利用いただけます。
詳しくは、当病院ホームページでご確認ください。

医療法人昭友会|埼玉森林病院

医療法人昭友会について

1977年6月に埼玉森林病院を開院し、1980年2月に医療法人昭友会を創立して以来40年以上にわたり、私たちは「心」を理念として、埼玉県北部地域の精神科医療・高齢者医療に尽力して参りました。川越比企医療圏北部において、地域に開かれた精神科医療を目指しています。
現代日本社会は「ストレス社会」とも言われ、うつ病の患者数は100万人を優に超えており、うつ病対策は重要な社会的課題の一つです。基幹施設である「埼玉森林病院」は、精神科疾患の入院治療やリハビリテーションをメインとしており、ストレスケアや企業メンタルヘルスなど、うつ病の治療や予防にも力を入れています。「森林公園メンタルクリニック」では、精神科の通院治療だけでなく、心理カウンセリングや精神科デイケアによるリハビリテーションをご提供し、近年その効果が注目されているリワークプログラムも実践しています。そのほかにも、「訪問看護ステーション 森林」の精神科訪問看護や、障がいを抱えた方の就労を支援する「作業所 ハーモニー」「作業所 シンフォニー」などの運営を通して、皆さまが住み慣れた地域で安心して生活できるようサポートしております。
法人内の各事業所や専門職が、それぞれの領域で専門性を発揮しつつ、お互いが連携し、より充実した良質な医療・ケアを実施してまいります。精神科分野における医療・看護・介護・福祉のトータルケアをご提供し、精神疾患を抱えた方々やご家族を支援いたします。

名称 医療法人 昭友会
住所 埼玉県比企郡滑川町和泉704番地
電話 0493-56-3191
FAX 0493-56-4831
E-mail 専用メールフォーム
関連施設 埼玉森林病院
森林公園メンタルクリニック
介護老人保健施設 いづみケアセンター
定期巡回・随時対応型訪問介護看護事業所 森林
共同生活援助事業所(グループホーム)森の家
就労継続支援B型事業所(作業所)ハーモニー
就労継続支援B型事業所(作業所)第二シンフォニー
なめがわ地域 福祉支援センター

・訪問看護ステーション 森林
・指定居宅介護支援事業所 いづみ
・特定相談支援事業所 なめがわ
・一般相談支援事業所 なめがわ
・就労継続支援B型事業所(作業所)シンフォニー
・就労定着支援事業所 シンフォニー
・リハビリデイサービス なめがわ

医療法人 昭友会

医療法人 昭友会
〒355-0807 埼玉県比企郡滑川町和泉704番地
0493-56-3191 0493-56-4831
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電車をご利用の場合
電車の最寄駅は、東武東上線「森林公園」駅です。
森林公園駅北口より、車で約10分(距離約7km)です。
駅から当施設までは無料送迎バスかタクシーをご利用ください。


森林公園駅北口からバスでご来院の場合
病院無料送迎バス(運行日:月・水・土)
森林公園駅北口でご乗車、埼玉森林病院で下車(約20分)


病院無料送迎バス運行表のご案内